京湯葉一筋に歩み、京の食文化を支える
千丸屋京湯葉
より良い素材を求め、京湯葉の味を究める
京料理や精進料理になくてはならない食材として知られる「京湯葉」。湯葉は、もともとは中国から伝わったとされ、京都では中世以降、京名物の一つとして発達してきた。
千丸屋は、文化元年(1804)に、初代・菱屋忠次郎が現在地で創業。高品質の京湯葉を一筋につくり続け、京都の各宗総本山御用達として湯葉を納めるなど、京の食文化の一翼を担ってきた老舗である。
同店の湯葉づくりには、「力のある大豆」を厳選して使用しているという。湯葉のつくり方は、まず、一晩水につけた大豆を、水を加えながら臼で摩って「ノタ」といわれる状態にした後、大釜で炊き上げ、布で漉して湯葉汁をつくる。これを木枠で仕切った平鍋で加熱し、表面にできた皮膜を引き揚げるわけだが、このとき「力のある大豆」でなければ、しっかりとした皮膜は張ってこない、というわけである。
従来は、国産の大豆が最も優れているといわれてきた。ところが近年は、国産品と同等以上に湯葉に適した良質の大豆が、中国から輸入されるようになった。同店では産地にこだわらず、より良い素材を吟味し採用している。また、創業以来涸れることのない清涼な井戸水も、千丸屋の京湯葉ならではの滋味を醸し出す、必要不可欠な要素であることは間違いない。
気迫を込めて、より美味しい湯葉づくりに励む
湯葉は、「水」と「大豆」だけでつくる食品であり、他のものを添加することは一切ありません。それだけにごまかしが効かず、つくるのは本当に難しいといえます。私どもが湯葉をつくる際には、素材や技術はもちろんのこと、美味しいものをつくろうとする「気迫」を大切にしようと心掛けています。お客様に「やはり千丸屋の湯葉は美味しい」と思っていただくためには、余所様の二倍努力しなければならないと考えており、最終的にはそうした気迫が、味の差となって表れるのではないでしょうか。
また、湯葉づくりは、長い伝統の上に成り立っているものではありますが、ただ古いものを守るだけでは進歩が止まってしまいます。湯葉そのものの本質を変えるわけではなく、毎日の努力と工夫を積み重ねによって、その時代の人々の味覚を満足させる湯葉をつくらなければならないと考えています。
京の食文化は、四季折々の旬の味を大事にしながら、美しい盛り付けや器など、目で楽しむことも重要な要素となっています。この点において湯葉は、自由に巻いたり畳んだりできるため、京料理の盛り付けのデザインに役立つ食材ともいえるでしょう。そもそも食文化は人間特有の感性が育んできたものですから、湯葉づくりにおいても、そうした感性を大切にしていきたいと思っています。
店舗情報
創業 | 文化元年(1804年) |
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商号 | 千丸屋京湯葉株式会社 |
所在地 | 京都市中京区堺町四条上ル八百屋町 |
電話 | 075-221-0555 |
FAX | 075-256-6010 |
営業時間 | 午前8時~午後6時半 |
定休日 | 日曜・祝日 |
予約 | 年末のみ要予約 |
URL | http://www.senmaruya.co.jp |