お茶そのものにこだわり続ける
一保堂茶舗
お茶のすばらしさを情報発信
徳川八代将軍吉宗の治世、享保二年(1717)に近江の渡辺利兵衛が京に出て、寺町通りに開いた近江屋がはじまりという。江戸時代後期の弘化三年(1846)には、宮中の山階宮から「茶一つを保つ」ようにと一保堂の屋号をいただいた。以来、京銘茶の名店のひとつとして親しまれている。
お茶の味や香りは、産地それぞれに特徴がある。京銘茶といえば、まろやかで上品な味わいと、甘くおだやかな香り。これは地理的・気候的な(川霧が発生しやすいなどの)理由もさることながら、長い歴史に培われてきた製茶技術の高さによるところも見逃せない。
一保堂が扱うのは抹茶、玉露、煎茶、番茶類の4種類の京銘茶。どの茶種も「畑ごと」に微妙に異なる茶葉をブレンドすることで、合計約四十におよぶ銘柄ごとの”いつもの味わい”に仕上げている。このブレンド作業が「味わいの決め手」とも言える工程であり、店の個性を作っている。こうしたお茶の品質へのこだわりが、京都の厳しい舌にさらされながらも愛され続けている、大きな理由のひとつと言える。
お茶本来の味わいをお伝えしたい
日本茶というのは、あまりにも身近すぎて、本来の味や香りが知られていないという気がします。ただ単にのどを潤すだけの飲み物、というふうに思っている方が多いのではないでしょうか。しかも、コ-ヒ-や紅茶ならお金をいただけるが、お茶は無料というイメ-ジの一方で、茶道となると、日常生活ではなじみがうすいせいか一歩引いてしまったりされます。日本茶もほかの飲料と同様に、もう少し普通に対応してもらえたら、もっと深く味や香り、色などを楽しんでいただけると思います。
お茶を生業としている者として、そういう状況のなかで、情報発信の重要性を再確認しなければなりません。たしかにコ-ヒ-や紅茶などに比べて、日本茶はその点ではあまり努力をしてこなかった。遅ればせながらも、できる範囲のことから少しずつ始めています。京都本店、東京丸の内店にはお茶を淹れるところから楽しんでいただける喫茶室があり、素材としてのお茶の面白さをお伝えする淹れ方教室も定期開催しています。
長く商いを続けさせていただいているのは、それぞれの時代に合わせて、その時々で対応し、また、なにがしか世の中のお役にたってこれたからではないでしょうか。そのことをつねに頭に置き、いまの時代にどうお役にたてるのかを考え続けています。
店舗情報
創業 | 享保二年(1717年) |
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商号 | 株式会社一保堂茶舗 |
所在地 | 京都市中京区寺町通二条上ル |
電話 | 075-211-3421 |
FAX | 075-241-0153 |
営業時間 | 午前9時~午後6時、喫茶室は午前10時~午後5時30分ラストオーダー |
定休日 | 年始のみ(喫茶室は年末年始のみ) |
URL | http://www.ippodo-tea.co.jp |