京料理になくてはならない伝統の「京麩」

麩太  京都でつくられる麩は「京麩」とも呼ばれ、中世以来、京の名産品の一つとして広く知られてきた。麩屋町通という地名は、かつて麩を商う店が密集していたことに由来するとも伝わっているが、そうした同業者町がつくられるほど、京麩は盛んに生産されてきたのである。麩太が創業したのは、江戸時代後期の文化年間(1804-1818)のこと。初代当主である松屋太兵衛は、智恩院の山門脇に店を構えた。同店には、「麩蒟蒻仲間」と記された株仲間の鑑札が伝わっており、その伝統を物語っている。
 麩には、生麩と焼き麩の二種類がある。小麦粉に水を加えて練り上げ、澱粉質を除いてグルテンを取り出すところまでは同じだが、これに餅粉を加えると生麩になり、小麦粉を加えて焼き上げると焼麩になる。麩太では、今も昔のままの手づくり製法を堅持しており、機械化はいっさい行っていない。もちろん、吟味厳選した材料を用いて丹念につくられているため、肌理(肌の木目)の細かい麩本来の食感を味わうことができる。
 また、生麩の生地にヨモギを練り込んだ「よもぎ麩」や、青海苔を練り込んだ生地でこし餡を包み、笹でくるんだ「笹巻麩(麩まんじゅう)」ほか、商品はバラエティに富んでいる。麩太の製品は、京料理、茶懐石などに欠かせない食材としても、根強い人気を維持している。

麩の様々な調理法の普及に努める

麩は、それ自体が味付けされているわけではありませんから、調理方法を工夫すれば、幅広く応用することができます。ですから、それぞれの料理人、あるいはご家庭の味で楽しんでいただければよい、と考えております。しかし、一般のご家庭では、味噌汁の具として焼き麩を使うことはあっても、生麩となるとほとんど食べられていません。
 そこで当店は、生麩をもっと広くアピールしなければならないと感じ、レシピの紹介などを行なっています。簡単な調理法としては、生麩は油との相性が良いので、フライパンで炒めて味噌を付けるだけでも、美味しくいただくことができます。必ずしも日本料理にこだわる必要はありませんので、ぜひ色々な料理に生麩を試していただきたいものです。
 京都という街は、古い物が多く残っているため、大都市のような発展性はないかもしれません。しかし、だからこそ気持ちにゆとりが持てますし、住んでいて落ち着けるのだと思います。私どもはこの京都の街で、昔ながらの京麩をつくり続けていきたいと願っております。これからも絶対に品質を落とすことなく、本物の麩を提供できるよう努力していくつもりです。

店舗情報

創業 文化年間
商号 麩太
所在地 京都市中京区西ノ京職司町25
電話 075-841-2800
FAX 075-822-8650
営業時間 午前9時~午後5時 
定休日 日曜日
予約 笹巻麩のみ要予約
麩太 地図 麩太 外観

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